『セクシー田中さん』事件と、Webデザインの著作権の扱い

年初から『セクシー田中さん』事件について注目しています。SNSやネット記事をたくさん読みました。

それは、著作権が関わる問題であり、TVドラマ制作のプロセスで同一性保持権が蔑ろにされていることに驚いたからです。

20年以上前から契約書を交わしている

話変わってWebデザイン業務での著作権の扱いはどうなのか、について。

弊所はWebデザイン系の制作を、2003年から請け負っています。

大企業から受注する場合は、契約書を交わすことが常です。多くの発注者は、まず素案としてPDFを受注者へ送り、異議がないかを確認してくれます。20年前からそうでした。

そしてデザイン画像の契約書は、ほとんどに「著作者人格権を行使しない」と記載されています。

著作者人格権
著作権のなか「財産権」と区別される。具体的には、公表権・氏名表示権・同一性保持権。

なぜなら、著作者人格権は譲ることができない権利だからです。また、Webデザインの成果物(ホームページや画像など)で、これを行使されると発注者は活用できません。

現実的には、広告にデザイナー名を出せとか、ホームページの画像を変えるなとか言い出すWebデザイナーはいないでしょう。しかし、そこまで明文化しているのです。

契約書に書かなければ、ましてや契約書を交わさなければ、著作権者が有利、と理解しています。

だから、『セクシー田中さん』映像化のトラブルは不思議でした。なぜ、許諾なく同一性を守らない脚本ができるのか?と。

ネットに投稿された推測通り

この事件を伝える記事が増えると、SNSで多くのアカウントから意見が投稿されます。

『セクシー田中さん』が評判の良いマンガだとSNSで知りました。それとともに憶測や推測もたくさん目にします。

日本テレビと小学館の報告書が発表された後の記事を読むと、ネットで多かった推測の通りだったとさらに驚きました(腹が立つから「報告書」は読んでいません)。

本件で感じた問題を一つだけあげると、映像化に関して出版社は利益相反になる、ということ。原作者側の出版社が、ドラマ制作側と交渉することに、構造的な無理があるように感じました。

JASRACのような、マンガの著作権管理組織はないのでしょうか。

わかりやすく納得できた記事

『セクシー田中さん』事件で、わかりやすく納得できた記事を紹介します。

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