「武蔵」がつくのが南武線のJR東日本、つかないのが田園都市線と大井町線の東急電鉄です。
これらの駅は隣接していてともに住所は「溝口」なので、「溝口駅」で統一すれば良さそうですが、歴史的背景があります。
すでに溝口駅があった
「溝口駅」にしなかった理由は、JR播但線に溝口駅(兵庫県)が既にあったから採用しなかったのかもしれません。
また、この地域について「溝ノ口郷」や「稲毛溝之口」と記した古文書があり、「ノ」を加えたと考えられます。
同名や似た名称があると「武蔵」を加える例は複数あります。
- 武蔵国
- 埼玉県・東京都・神奈川県東部あたり。昔の行政区分。
武蔵溝ノ口駅の開業は1927年3月で、南武鉄道の駅でした(現在はJR東日本)。
4ヶ月遅れて、東急電鉄の溝ノ口駅が誕生します(当時は玉川電気鉄道)。しかし、1966年に同社は、駅名表記を漢字と平仮名に統一したため、「溝の口駅」へと変わります。
参考文献
- 東急沿線の不思議と謎(浜田弘明 著)
- 週刊歴史でめぐる鉄道全路線 no.06